GA4は、従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)とは大きく異なる機能とインターフェースを持つため、使い慣れたUAユーザーにとっては戸惑う部分も多いかもしれません。でもご安心ください!私も最初はそうでした。でも、基本的な設定と画面の見方を理解すれば、GA4は思ったほど難しくありません。今日は、GA4を使い始めるにあたって、最初にやっておくべき設定や画面の見方、よく使うレポートの分析方法について、私の経験を踏まえて詳しく解説していきます。
GA4のホーム画面:サイトの全体像を把握する
GA4のホーム画面は、サイトのアクセス状況をひと目で把握できる重要な場所です。左側のメニューから様々な機能にアクセスできますが、まずはホーム画面で表示されている4つの主要指標に注目しましょう。
- ユーザー: サイトを訪れたユニークユーザー数を表します。これは、サイトへの関心を示す重要な指標です。
- セッション: サイト訪問から離脱までの一連の行動を計測した回数です。ユーザーがサイト内でどのくらい活動したかを表します。
- ページビュー: サイト内のページの表示回数を表します。ユーザーがどのページに関心を持っているかを把握できます。
- コンバージョン: 設定した目標達成回数(例:問い合わせ、資料請求など)を表します。サイトの成果を直接的に示す指標です。
これらの指標は、サイト全体の状況を把握する上で非常に役立ちます。例えば、ユーザー数が減少しているのにセッション数が増加している場合は、ユーザーがサイト内をより深く閲覧していることを示唆します。このように、複数の指標を組み合わせることで、サイトの現状をより深く理解することができます。
レポートメニュー:詳細なデータ分析
GA4のレポートメニューは、ホーム画面よりも詳細なデータを確認できる場所です。ここでは、様々な視点からサイトのアクセス状況を分析できます。
集客レポート:ユーザーはどこから来たのか?
「集客」レポートでは、ユーザーがサイトにどのようにたどり着いたのかを分析できます。
- トラフィック獲得: ユーザーがサイトにアクセスした経路を分析できます。検索エンジンからの流入、ソーシャルメディアからの流入、広告からの流入など、様々な経路を把握できます。
- 参照元: ユーザーがサイトにアクセスする前に訪れていたウェブサイトを確認できます。
- キャンペーン: 特定の広告キャンペーンの効果を分析できます。
これらのデータから、どのチャネルからの流入が多いのか、どのキャンペーンが効果的だったのか、といった情報を把握できます。
エンゲージメントレポート:ユーザーはサイトでどのように行動したのか?
「エンゲージメント」レポートでは、ユーザーがサイト内でどのように行動したのかを分析できます。
- ページとスクリーン: ユーザーがどのページを閲覧したのか、ページごとの閲覧時間を確認できます。
- イベント: ユーザーがサイト内で発生させたイベント(例:動画再生、フォーム送信など)を分析できます。
- エンゲージメントの概要: ユーザーがサイト内でどのくらい活動したのか、エンゲージメント時間や直帰率などを確認できます。
これらのデータから、ユーザーがどのページに興味を持っているのか、どのコンテンツに最も時間を割いているのか、といった情報を把握できます。
ユーザーレポート:ユーザー属性を把握する
「ユーザー」レポートでは、サイトを訪れたユーザーの属性を分析できます。
- ユーザー属性サマリー: ユーザーの年齢、性別、国籍などの属性を概観できます。
- ユーザー属性の詳細: 特定の属性(例:年齢層、国籍)ごとのアクセス状況や行動を分析できます。
- クロスデバイスユーザー: 複数のデバイス(スマートフォン、タブレット、PCなど)を使用してサイトにアクセスしたユーザーを分析できます。
これらのデータから、サイトのターゲットユーザー層を把握したり、特定の属性を持つユーザーの行動パターンを分析したりできます。
探索メニュー:データ分析の自由度を高める
探索メニューは、GA4の最も強力な機能の一つです。複数の指標を自由に組み合わせて分析を行うことができます。
- 空白レポート: 一から自由にグラフや表を作成できます。
- テンプレートギャラリー: 特定の目的(例:経路分析、コホート分析)に合わせたテンプレートが用意されています。
探索メニューを使用することで、レポートメニューでは得られない深い洞察を得ることができます。例えば、特定のページを閲覧したユーザーの属性や行動を分析することで、そのページの改善策を検討することができます。
GA4導入後の初期設定:データ収集の準備
GA4を導入したら、まず以下の設定を行うことをお勧めします。
データ保持期間の設定
GA4では、データの保持期間が初期設定で2ヶ月と短く設定されています。これを「管理」メニューで最長の14ヶ月に変更することで、より長期的なデータ分析が可能になります。
IPアドレスの除外設定
自社の社員など、関係者のアクセスはサイトの分析に影響を与える可能性があります。そのため、「管理」メニューで特定のIPアドレスをサイトの計測から除外する設定を行うことが大切です。
クロスドメイン計測の設定
複数のドメインを持つウェブサイトを運用している場合は、「管理」メニューでクロスドメイン計測の設定が必要です。これにより、別々のドメイン間でのユーザー移動を同一サイト内の回遊として計測できます。
Google シグナルの有効化
Google シグナルを有効化することで、ユーザーが異なるデバイスからアクセスした場合でも同一ユーザーとして計測できます。これにより、ユーザーの行動をより正確に把握することが可能になります。
Google サーチコンソールの連携
Google サーチコンソールは、ウェブサイトへのアクセス元となるキーワードなどの情報を分析できるツールです。GA4と連携することで、ユーザーの行動をより詳細に把握できます。
イベントとコンバージョン設定:サイトの目標を明確にする
GA4では、イベントとコンバージョンを設定することで、サイトの目標達成状況をより詳細に把握できます。
自動収集イベント:基本的な行動を自動計測
GA4は、ページビュー、セッション、初回訪問など、いくつかのイベントを自動的に収集します。これらのイベントだけで必要なデータを取得できる場合は、特別な設定は不要です。
測定機能の強化イベント:より詳細な行動を計測
より詳細なイベントを計測したい場合は、「管理」メニューで測定機能の強化イベントを設定します。これにより、スクロール深度、動画再生、フォーム送信などのイベントを計測できます。
カスタムイベント:独自のイベントを計測
自動収集イベントや測定機能の強化イベントでは計測できないイベントを計測したい場合は、カスタムイベントを設定します。
コンバージョンの設定
コンバージョンは、サイトの目標達成に繋がるイベントです。問い合わせ、資料請求、商品購入など、重要なイベントをコンバージョンとして設定することで、コンバージョン率や収益などの指標を分析できます。
探索レポート:データ分析の基礎
探索メニューでは、空白レポートを活用して自由にデータを分析することができます。
変数、ディメンション、指標
- 変数: 分析に使用するデータの要素(例:ユーザー、セッション、イベントなど)
- ディメンション: データを分類するための軸(例:年齢、性別、国籍、ページタイトルなど)
- 指標: データの量を測るための数値(例:セッション数、ページビュー数、コンバージョン数など)
表、グラフ、地図
探索レポートでは、表、グラフ、地図などの様々な形式でデータを可視化できます。
GTM (Google タグマネージャー) の活用
GTM (Google タグマネージャー) は、ウェブサイト内に設置するタグを一括管理できるサービスです。GA4のトラッキングコードを含めた多くのタグに対応しており、無料で使用できます。
GTMを使用することで、タグの設置や管理が容易になります。また、プレビューモードを活用することで、タグ設定の変更がサイトに影響を与えることなく確認できます。
まとめ:GA4でより深い分析を
GA4は、従来のUAに比べてより詳細なデータ分析が可能になりました。本記事で紹介した設定や分析方法を参考に、GA4を積極的に活用することで、サイトの改善に役立つ貴重なインサイトを得ることができます。
ぜひ、GA4を使いこなして、ウェブサイトのパフォーマンス向上を目指しましょう!